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第六回 京都と豆腐

山と自然に囲まれた京都の街には、豆腐作りに欠かせない良質な水が湧き出ており、美味な豆腐が出来上がる。京都に数多くあるお寺では精進料理として豆腐が使用されていたし、南禅寺界隈は湯豆腐で有名だ。豆腐もまた京都を舞台に発展してきたのである。

南禅寺界隈と湯豆腐屋の関係

京都市左京区には、室町幕府第三代将軍足利義満の時代に京都五山(中国南宗末期に禅宗の保護と統制のために格式高い五つの寺を設定したことに倣って制定された)の中で五山を超える「五山之上」という禅宗寺院最高の寺格を受けた南禅寺がある。南禅寺へと続く参道は交通の要だった東海道から分岐しており、当時多くの旅人が行き交った道であった。現在は、数々の湯豆腐屋が軒を連ねている。 江戸時代の中期に発刊された、全9巻に及ぶ京都のガイドブック『都林泉名勝図絵』には、「丹後屋」というお店の湯豆腐が京都の名物料理として紹介されている。「丹後屋」は後に3つの茶店に分かれ、旅人に飲み物や軽食を提供していた。その内の1軒こそ、南禅寺界隈に湯豆腐屋を広めるきっかけとなった「奥丹」である。ここで湯豆腐が美味しいと話題になり、近辺の店も同様に湯豆腐を出すようになった。「奥丹」は創業当初から精進料理に専念し、やがて湯豆腐をメインとするようになった。現在も原料である大豆からにがりに至るすべてを自家製にこだわり、奥丹ならではの豆腐の味を提供している。

豆腐の歴史

では、その豆腐はどのようにして、日本に浸透したのだろうか。約2000年前に中国で誕生した豆腐が日本に伝来したのは奈良時代の頃。鎌倉時代の禅文化興隆と供に、寺社が多く、水が清らかな京都で豆腐文化が栄え始め、僧の貴重なたんぱく源として豆腐は次第に普及していく。高僧や貴族などしか口にすることがなかった豆腐であるが、約450年前に八坂神社の門前で茶店として始まった「中村楼」が江戸時代初期に売り出した「祇園豆腐」をきっかけに、それまで高級食であった豆腐が庶民の間に普及した。
「祇園豆腐」とは、豆腐田楽のことである。味だけではなく、店頭で行われる豆腐切りのパフォーマンスも人々を惹きつけ、店頭は大賑わいだったという。ちなみに、甘く香ばしい「祇園豆腐」は、現在でもいただくことができる。江戸時代の庶民に愛された味を平成の現在でも口にすることができる楽しみも、京都ならではである。

その他にも、京都には「嵯峨豆腐」や「南禅寺豆腐」と呼ばれるブランド豆腐がある。豆腐の味は作り手によって味が全て違う。京都に訪れた際にいくつかの豆腐屋を巡り、それぞれの味の個性を知るのも、今まで気付かなかった豆腐の魅力を知るきっかけとなるはずだ。






参考文献 
京都みやげを買う前に 2004年発行 株式会社のぞみ

奥丹
南禅寺店 075-771-8709
京都市左京区南禅寺福地町86-30
営業時間 10時30分〜17時
定休日 木曜日 ※要予約

中村楼
075-561-0016
京都市東山区祇園町南側509、八坂神社鳥居内
営業時間 11時30分〜14時、17時〜19時(入店)
定休日 不定休 ※要予約
祇園豆腐700円







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